「バチェラー・ジャパン」シーズン3の感想

 

「バチェラー・ジャパン」シーズン3を観たので感想。

 

バチェラーは「海外発祥、1人のハイスペック男性を多人数の女性が奪い合う恋愛リアリティ番組」です。

 

○過去シーズンの感想
「バチェラー・ジャパン」シーズン1の感想 - やせいのひとりごとがとびだしてきた!

「バチェラー・ジャパン」シーズン2の感想 - やせいのひとりごとがとびだしてきた!

 

シーズン3のネタバレを含むため感想は続きから。
なおシーズン1,2の内容については、あからさまなものには触れていないつもりです。

 

 

○番組形式
基本的にはシーズン2と変わらず。今田耕司らのスタジオトークを挟みつつの65分。シーズン2に比べると1話あたりの尺が少し増えたような気がします。
スタジオトークは良いコーナーです。本編の尺が減って描写や編集に偏りは出てくるのですが、視聴者の気持ちを代弁したり違う視点での意見を発見できたり、トータルバランスで見るとあったあった方がいいと思います。
今回ふと思った(気付かされた)のが「MCに既婚者がいない」こと。3人のバランスは結構良いですが、既婚者視点から発言できる方がいても良さそうと思いました。

 

○バチェラーの印象
大雑把に「シーズン1がフォーマル、シーズン2がカジュアル」とすれば今回のバチェラーはその両面をバランス良く持っていそうなタイプでしょうか。ただ、個人的にはあまり好みのカッコよさではなかったです((
過去のバチェラーは「みんなの本音を聞くためにまずは彼女たちを楽しませて素の部分を引き出そう」というアプローチでデートプランを考えていたことが多かったですが、今回のバチェラーは「僕の好きなもの・やりたいことについてこれますか」というものが多かった気がします。また、開始前のインタビューでは「強い女性を求めている」と言い続けていて、それゆえか女性たちを試す場面もいくつか見受けられました。
そういう部分もあって、個人的には独りよがりな印象を受けました。
彼自身はかなり優しい性格の持ち主だと思うのですが、それは見たり聞いたりして得た確実な情報にしか向けられなくて、不確定な気持ちを察する能力は少し弱い印象も受けました。終盤に野原遥が「友永さんの良いところは全てを受け入れようとする姿勢」と述べていましたが、これは自分で察して先にアクションを起こすことができないからこそ、そういう姿勢を取らざるを得ないのだと思いました。
ここまで残念な書き方をしてきた通り「完璧で理想の男性」を期待すると物足りないですが、シーズン3ともなればバチェラーも過去とは違ったタイプでなければは面白くないと思いますし、彼自身が幸せになるためにどういう選択をするかという点については興味を持てていました。

 

○女性陣の印象
シーズン2同様に女性陣の人数は20人。前評判では「史上最高のモンスター級揃い」と言われていましたが、始まってみると特にそんな印象はありませんでした。どちらかと言うと残りそうな人とそうでない人の差が結構激しい印象で、そうでない人たちの言動の強さが目立ってモンスター級という表現が生まれたのではないかと思います。
観るときはだいたい推し(?)の女性がいるのですが、今回は田尻夏樹。職業欄が広告業・モデルとだけあってスタイルが良く笑顔も絶えず愛嬌があり、ドレスなどの装いや接するときの仕草から醸し出す適度なあざとさは自分の見せ方をちゃんと理解していて素敵だと思いました。一方で20歳の頃に出産した12歳の息子を持つシングルマザーであり、壮絶な時期を乗り越えてきたことは強さの証となりますが、やっぱり子供がいることは最後の一人に残る上ではかなりネックになりそうです。シーズン2までは推していた女性がどちらも最後まで残る結果だったのですが、今回はちょっと難しそうです。
また、スカイダイビングのデートを境に野原遥が素敵だと思い始めました。華やかな見た目とそこから溢れ出る自信や強さが印象的で、シーズン2の若尾綾香のように一匹狼的な存在かと最初は思っていたのですが、内実はかなり素直で驚きや喜びに目をキラキラさせる純粋さだったり、他の女性を思って涙する場面があったりと中盤以降とても魅力的に映りました。序盤から「他の女性陣には勝てると思っている」という発言をしていましたが、最後まで見るとこれは上から目線なのではなくて謙虚に事実を判断した結果なのだろうと感じられました。 

 

○バチェラーの選択
女性陣の印象の段階でも述べましたが、過去シーズンより終盤まで残るメンバーとそうでないメンバーがはっきりしていたと思います。少し意外だったのは2話で李起林を早々落としたことくらいでしょうか。
最後のローズセレモニー。過去の例から見ても最後は「恋愛・結婚どちらを選ぶか」の選択になることが多く、今回のバチェラーは自分の気持ちを最優先にした選択をすると思っていたので、フラれたとしても強い恋心がある岩間恵を選ぶと予想していました。が、まさかの水田あゆみ。岩間恵との会話で「好きでした」と過去形で言っていたからそこでちゃんと気持ちを整理したんですね。
・・・と思いきや、そこからまさかの急展開。1ヵ月後に水田あゆみと別れてその直後すぐに岩間恵と交際を始めるという結末。恋心を捨てきれない、それについて後悔したくない、という気持ち自体は理解できます。バチェラーの立ち回りとして良くなかったことは「ローズセレモニーの段階で岩間恵を選ばなかったこと」「水田あゆみを選んだのに彼女と向き合おうとしなかったこと」の2点でしょうか。前者は言わずもがな、後者についてはスタジオトーク今田耕司からも指摘されていましたが、「僕の中ではその選択肢はなかった」と答えており、「他の女性を想ったまま付き合うことが失礼だから」という理由も少し身勝手な思い込みだと思いました。私たちの見えないところでしっかり向き合ったのかもしれませんが、野原遥とお別れした際も彼女を「完璧な女性像」と思い込んで、距離を取って歩み寄ろうとしなかったように見えたので、最後の理由だけ聞かされるとそういう印象を受けてしまいます。
「強い女性が好き」「神戸に一緒に住むのが絶対条件」「恋愛ではなく結婚するために参加した」・・・という条件を語ってくれていましたが、岩間恵という一人の女性への恋慕に振り回された結果になりました。もし岩間恵がいなかったらどう選んでいたかというのは気になりますね。

 

○全体的な感想
推しの田尻さんと野原さん、加えて最後まで残った水田さんがとにかく素敵でした。嫌な部分を見せないようにと努力して演じていたのかもしれませんが、過酷であろう生活の中で最後までそれを演じ切ったこと自体は一つの強さであり素敵だと思います。
自分にとってシーズン1,2は結果的に「魅力的なバチェラーと推しの女性が結ばれるハッピーエンド」となっていましたが、今回はそうではありませんでした。ただ、バチェラー自身がさほど魅力的でないと思っていたので、もし推しの女性が最後の一人に選ばれたとしても、自分にとってはビターエンドになるのでしょうか(?)
私たちはこの企画をエンタメとして消化していますが、彼らにとっては当然リアル(リアリティ)で、彼らの幸せという意味では「友永さんのそういう部分も素敵だと思える人と結ばれればいい」と思っていました。なので、ラストの展開に対して胸糞悪さみたいなものは特に感じませんでした。選ばれなかった野原さんや水田さんも「友永さんのそういう部分も含めて素敵だと思える人」だったと思いますが、結果的には選ばれなかったことが吉となったようにも思えます。
ここまでバチェラーに対して残念な評価をしていますが、自分が同じ立場だったときに思ったように動けるかは自信がありません。「気付いていたら優しくできるけど、そもそも気付けていなくて、それで逆に人を傷つけたりする」は自分の生活でも知らないところで起こしてしまっている可能性は高いと思っていて、そういう意味では今回のバチェラーを客観的な視点で見ていたことで気付ける視点がたくさんあり、想像力を持って生きていかなくてはと思わされました。

 

○小ネタ(時系列は詳細まで気にせず)
・本気度を示すために結婚指輪を作ってきたことをアピールするバチェラー
・指輪のサイズとかデザインとかあるのに、ただの自己満足では…と怪しい雲行き
・国分さんのコピー「メルヘン嫌いですか?」メルヘンで強い女性見たことない((
・金子さん「過去に出会ったことある」勿体ぶってるの絶対ミス
・実際ただの高校の後輩(しかも時期かぶってない)、ほぼ関係なくて笑える
・岩間さんと飛行機デート「先に東京タワー見つけた方が勝ちな、勝負や」
・「俺こういう勝負負けんの嫌やねん」「あれじゃない?」「あ、負けた!」軽すぎる
・わざとなのかってくらいの関西弁「こんにちは」のイントネーション気になる
・李さんを落とした理由「完璧すぎて僕じゃなくていいな」は国籍関わらずわざわざ参加している気持ちを考えると失礼((
・2on1デートで水に飛び込む試練、もはやハラスメント((
・強さの要因として度胸や我慢はあると思うが、度胸しか測れない上に嫌なことを強いるのは違うと思う
・金子さんと別れるときの「運命の人は俺ちゃうと思う」も失礼(2回目
・グアムの最後の野原さんとのデート、ない予定を無理やり作るってありなの?
・「今から一緒にスカイダイビングしましょ」って言ったときの野原さんの驚く顔が純朴で良い
・浜崎さん、水族館デートで手作り指輪を左手薬指に渡すのはちょっと重い
・右手薬指にお互いつけて「左手は友永さんからもらいます」的な方が素敵だった
・これはバチェラーが父親像を求められて落とされてしまうのも納得(?)
・野原さんとドライブinシアター、これ嬉しいですか?
・しかも自分たちの出会いの振り返り映像、なんでそれで泣いてるの、自己陶酔?(
・このシーンはバックハグよりも横にいて手を繋ぐとかの方が良かったと思う
・バチェラーがよくやる「~について、どう思う?」って質問の仕方良くないと思う
・直球で核心をついていそうだけど漠然とし過ぎているので、答えの範囲を限定してあげるような質問の仕方が良いと思う(yes/no回答にする、先に自分の考えを話す、など)
・最後まで笑顔だった田尻さんの別れ際素敵だった、感謝を伝えつつも「もう少し一緒にいたかったなー」という絶妙な甘え、声のトーンもすごく良かった
・彼女がシングルマザーであることをなかなか言い出せなくても最後の方まで残っていた一番の要因はバチェラーの好みだったからだと思う(
・バチェラーの実家訪問で家族に対して「3人会った正直な感想を聞かせて」「水田さん」「水田さん」「水田さん」
・「俺は家族のために結婚しないからな!」「僕は恵さんがいいと思っているのに」ギャグか?(
・「正直、人を比べるなんて…」バチェラーってそういう企画なんですけど、、
・野原さんも別れ際素敵だった、呼ばれなかった瞬間涙を堪えて上を向いたリアクションから最後まで泣かずに、寧ろ友永さんを送り出すように去っていったのが本当に素敵
・最後の最後にフランスで岩間恵と食事して食の好みが合わないのが「どうでもええ」バチェラー、絶対どうでもよくない
・水田あゆみの「一度しか言わへんからな」「好きです」良かった、特にその前に「真也は何も返事せえへんでええで」という気遣いが素敵
・「めちゃめちゃ考えました」「真剣に考えました」「そこに嘘はないです」その結果がアレ()
・「めぐみー!めぐみー!」って呼んで無視されてるのシュール((
・水田あゆみに後日「俺はこの選択を後悔してない」って伝えてて、これまた失礼ポイント
・岩間恵に振られた日、カメラのないところで一晩中話しました(意味深)
・というかカメラのないとこでやり取りできるの企画的におかしい
・フッた女と一晩中話すことなんて残ってないはずなのがまた卑しい
・岩間恵のキャッチコピー「気が付くと不幸なの」は事業自得ですよ
・最後のスタジオトーク、水田あゆみの大人な対応とMCのおかげで成り立っていた
・特にエンタメとして消化させた今田耕司の手腕がすごくて感心しました
・バチェラー4が始まったときに歴代並べられると友永さん気まずそう(

 

○余談
「岩間恵は打算で動いていた部分があるが、したたかではない」というのが私の見方。
身近なひとと感想を話している中で「したたかでない」と言ったら「男にはあれが計算だと分からないのか」と言われたので、どうやら「したたか」の解釈に差異があるのではないかと思いました。
「したたか」は漢字だと「強か」と書くように一筋縄ではいかない印象があり、しっかり計算して動き上手く立ち回る様を表現するのに適した言葉だと思います。ただ、彼女を見ていると計算で動いた部分はゼロではなくても気持ちに正直に動いただけの部分があったり、同様にSNSでの振る舞いが指摘されてしまうなど上手く立ち回れた感じはあまりないです。なので、「したたかではない」という見解です。
そのとき場にいたもう1の男性も自分と同じような解釈をしていたのに対して、女性2人は「計算高い→したたか」という解釈と分かれる結果になったので、ちょっと面白いなと思いました。