8thGS構築~Wキュレム+猫騙しイエッサン~

○レジエレキ ひかえめ トランジスタ
157-×-71-158-77-252 H.12 B.4 C.188 D.52 S.252
10まんボルト、エレキネット、みがわり、まもる@じしゃく

 

○Wキュレム おくびょう ターボブレイズ
201-×-110-222-120-161 H.4 C.252 S.252
ふぶき、だいちのちから、はかいこうせん、まもる@いのちのたま

 

○ザシアン いじっぱり ふとうのけん
179-244-135-×-135-189 H.92 A.252 S.156
きょじゅうざん、せいなるつるぎでんこうせっか、まもる@くちたけん

 

○イエッサン♀ わんぱく シンクロ
176-75-128-×-127-105 H.244 B.252 D.12
ねこだましこのゆびとまれ、てだすけ、サイドチェンジ@ぼうじんゴーグル

 

ガオガエン なまいき いかく
201-135-126-100-140-58 H.244 B.124 D.140
フレアドライブ、バークアウト、とんぼがえり、ねこだましとつげきチョッキ

 

○Wロトム ひかえめ ふゆう
157-×-147-151-127-106 H.252 B.156 C.100
10まんボルトハイドロポンプ、わるだくみ、まもる@オボンのみ

 

2021年7月上旬の仲間大会で使用。2回参加して戦績は5-0, 4-2。
2022年1月末の仲間大会で使用して9-1(追記)。

 

【構築概要】
Wキュレムを主軸に据えた構築。この指止まれ持ちイエッサンと並べて、初手ダイマックスから高火力の攻撃を浴びせてアドバンテージを狙う戦い方を基本とします。
もう1匹の伝説枠にはダイマックスなしで高いスイーパー性能を誇るザシアンを採用。また、Wキュレムを通しづらい相手に対してはWロトムダイマックスさせて戦います。

 

【構築経緯】
以前からWキュレムの「この指+初手ダイマックス性能」の高さには注目していました。
まず単純に特攻が高く相手を倒す火力に優れていること、気合の襷・頑丈・化けの皮などダイマックスを凌ぐ有効な手段をタイプ一致ダイアイスの追加効果である霰・ターボブレイズのおかげで潰せることが強みです。また、この指止まれ要員をダイジェットで倒された場合、こちらが後発で出すポケモンが素早さ負けしているケースが多いのですが、キュレムが飛行タイプに強いおかげでダイジェットを許しにくい点もポイントで、更にこの指止まれ要員と並べたときにネックになる範囲技に対しても、代表格であるカイオーガ・黒バドレックス辺りに強めなのも嬉しいです。

 

ただ、唯一気になるのはザシアンの巨獣斬に耐性がないことです。
この指止まれで攻撃を引き寄せている間に返しの攻撃で倒すことこそできますが、身代わりや交代まで考えるとこちらの行動が制限されてしまい好ましくないです。そこで、ザシアンがダイマックスできない性質を逆手に取って猫騙しで対策することにしました。猫騙しを打てばザシアンの行動に関わらずキュレムをフリーで動かすことができて、2ターン目にこの指止まれを使えば多くの場合はザシアンが最初に動くので、キュレムに巨獣斬がヒットするのを防ぐことができます。
猫騙しとこの指止まれを両立できるポケモンはイエッサンしかいなかったので、この指止まれ要員はイエッサンを採用することにしました。

 

先発キュレムで作ったアドバンテージを活かして攻め続けるため、後発には火力と素早さが高いポケモンを置きたいです。後発のポケモンダイマックスしないので、それに依存せず性能の高いザシアンを3匹目のポケモンとして採用しました。
また、4匹目にはレジエレキを採用しました。氷と電気の攻撃相性が単純に良いことが一つ、エレキネットによってダイジェットを打たれた場合のケアをしたり終盤のザシアンミラーに優位をつけられることが理由になります。

 

ここまでで基本選出はできましたが、Wキュレムを全ての試合でダイマックスさせるのは得策ではありません。特に、ソルガレオネクロズマ・白バドレックスは氷技の通りが悪く、トリックルームが絡みやすいことからアドバンテージを稼ぎづらいです。
ということで、それらのパーティにはWロトムをぶつけることにしました。ロトムエスパー技を除けばそれらのポケモンに耐性があり、トリックルームなどで展開にターンを要する間に悪巧みを積むことで応戦できます。
そういったパーティに対しては最低限のサイクルを回す必要があるため、サイクルを回す能力に長けたガオガエンを最後の1匹として採用しました。

 

【個別解説】

★レジエレキ

<持ち物:磁石>
スイーパーとしての能力を上げるために火力を引き上げられる磁石。
耐久に不安が残るので気合の襷も候補ですが、ダイアイスで霰を降らせることが多いので、発動機会が少ないと考えました。

<技構成:10万ボルト、エレキネット、身代わり、守る>
メインウエポンの10万ボルト、素早さ操作のエレキネット、大事に扱うための守る。最後の技は身代わりを採用。イエッサンがDMカイオーガに一撃で倒されてしまうため、身代わり守るでダイマックスを2ターン凌ぐことを目的にしています。
次点を挙げるとするなら嫌な音でしょうか。相手のランドロスキュレムしか強くない選出になるケースは多いので、ザシアンレジエレキの並びでランドロスに対抗するための技です。

<実数値:157-×-71-158-77-252 H.12 B.4 C.188 D.52 S.252>
素早さ振り切り。A222ザシアンのランク+1巨獣斬耐え。A135イベルタルの命の珠不意打ち耐え。C202カイオーガの雨神秘の雫DMしおふき(守る使用)+身代わり耐え。残り特攻。
ダイアイスによって霰ダメージを受けて耐久調整が崩れるケースは多そうなので、気持ち程度に配分しました。素早さは追い風下のトルネロスなどにダイアタックを入れて先制できる状態を作りたいので、速めに設定しました。

★Wキュレム

<持ち物:命の珠>
積極的にダイマックスをしてダメージを与えていきたいので、最も火力を高められる命の珠。

<技構成:吹雪、大地の力、破壊光線、守る>
ダイアイス媒体となり威力も高くダイマックス終了後に必中の範囲攻撃として使える吹雪、氷技を半減するガオガエンやザシアンに有効なダイアース媒体の大地の力、ダイアタック媒体の破壊光線、ダイウォール媒体となりダイマックス終了後に選択肢を作るための守る。
ドラゴンタイプにはダイアイスで十分だと判断したのでドラゴン技は不採用。破壊光線はダイアタック前提ですが、イエッサンが倒されるターンに打っておくことで素早さ優位を確保しながらザシアンを死に出しできます。また、それまでに1匹倒せていれば素早さ下降を戻すための交代も取りづらいので、終盤有効に働くケースが多いです。

<実数値:201-×-110-222-120-161 H.4 C.252 S.252>
素早さ最速のCS振り切り。
性格を控えめにするとHD特化ガオガエンをダイアースで一撃にできたりしますが、カイオーガランドロスに先制できる方が安定したプランを組み立てられるので、素早さを重視しました。また、控えめだとランク-1黒バドレックスと同速なので、それを上回る目的もあります。

 

★ザシアン

<持ち物:朽ちた剣>
剣の王の姿で使うために必須。

<技構成:巨獣斬、聖なる剣、電光石火、守る>
メインウエポンの巨獣斬、巨獣斬が通らない相手に等倍以上で通りやすい聖なる剣。大事に扱うための守る。最後の技は先制技の電光石火としました。
聖なる剣は目立ったデメリットがないこともありますが、ダイスチルを積んだソルガレオネクロズマダイマックス終了後を叩けるようにする目的が大きいです。電光石火は先制技として単純に強いこともありますが、悪戯心より素早く打てるので、一度目の追い風をダイアタックなどで凌ぎつつ2回目を許さない動きを取れる点も強力です。

<実数値:179-244-135-×-135-189 H.92 A.252 S.156>
最速エースバーン抜き。A244ザシアンの巨獣斬耐え(15/16)。残り攻撃。
スイーパーらしく火力を重視した配分。A222を想定した巨獣斬耐えのポケモンも霰ダメージが入れば確定で倒せるようになるので有用です。

 

★イエッサン

<持ち物:防塵ゴーグル>
キュレムのダイアイスによる霰ダメージで倒れてしまうことを防ぐために防塵ゴーグル。ロトムを軸にした選出をする際に重くなりがちなモロバレルにも有効に働きます。

<技構成:猫騙し、この指止まれ、手助け、サイドチェンジ>
採用理由であるこの指止まれ、この指止まれが必要ないときに使う手助け、ザシアンの前でキュレムの行動回数を稼ぐための猫騙し。最後の技はロトムと並べて使う際にダイアースで特防を固められるのを防ぐためにサイドチェンジを採用しました。
守るまで採用できると良かったですが、2ターン目までは生き残ってくれるケースは多く、キュレムのダイアタック+死に出しザシアンで有利を維持する動きができるので、なくてもそこまで気にならなかったです。

<実数値:176-75-128-×-127-105 H.244 B.252 D.12>
A222ザシアンのランク+1巨獣斬耐え。C202カイオーガの雨75%しおふき耐え(15/16)。
少し耐久は物足りないですが、これ以上どうにもできないです。

 

ガオガエン

<持ち物:突撃チョッキ>
サイクルを回しやすくするため耐久を底上げできる突撃チョッキ。
キュレムが出せないケースでのレジエレキ、ザシアンが苦手になりがちな黒バドレックスを意識しています。

<技構成:フレアドライブ、バークアウト、蜻蛉帰り、猫騙し>
ロトムが苦手なゴリランダーに有効なフレアドライブ、サイクルをする上で便利な蜻蛉帰りと猫騙し。守る+捨て台詞で次のターンに隣のポケモンが攻撃を耐えるようにする動きを取りたいものの、突撃チョッキを持たせていて捨て台詞が使えないので、特殊方面でそれを行うためバークアウトを最後の技として採用しました。

<実数値:201-135-126-100-140-58 H.244 B.124 D.140>
素早さ最遅。ザシアンの巨獣斬+聖なる剣耐え(255/256)。C222パルキアのDMハイドロポンプ耐え。
最低限の物理耐久だけ確保して残りは特殊耐久。素早さはネクロズマとの関係がはっきりするよう遅めで、ガオガエンの捨て台詞を受けた後に後続に繋ぎやすいよう最遅に設定。

 

★Wロトム

<持ち物:オボンの実>
ロトムの性能評価は悪巧みを使うことが前提なので、ダイマックス前に大きなダメージを受けてもHPを多く残せるようオボンの実。

<技構成:10万ボルト、ハイドロポンプ、悪巧み、守る>
メインウエポンの10万ボルトとハイドロポンプダイマックスロトムを相手にとって脅威とするための悪巧み。最後の技は無難に守るを採用しました。
ネクロズマを相手にすることを考えると、ダイアークが強力な悪の波動も候補ですが、電気水の攻撃範囲にしておくとカイオーガランドロスの両方に強い駒として非ダイマックスでの運用もできるので、今回はその要素を重視しました。

<実数値:157-×-147-151-127-106 H.252 B.156 C.100>
A194ゴリランダーのフィールドグラススライダー耐え(14/16)。残り特攻(目安はH213-D110ソルガレオをランク+2DMハイドロポンプで1発)。
仮想敵がダイアースで耐久を固めてくることが予想されるので火力高めで使いたい一方、悪巧みを積むために非ダイマックスで動く必要もあるため、物理耐久と特攻を中心に配分しました。対ゴリランダーはガオガエンの威嚇を入れることで拘り鉢巻き持ちの前でも行動保障が生まれます。

 

【構築総評】
猫騙しイエッサン+Wキュレムのアイディア自体はシリーズ8の頃からあったのですが、ダイマックスを先発で使うために後発のスイーパー性能が物足りなく、キュレムへの依存度が高くなって上手くまとめることができませんでした。しかし、伝説が2匹使えるルールならダイマックスせずに強いザシアンを採用できるので、それによって納得感のある形へとできました。
イエッサンの猫騙しは警戒されづらいこともあって予想よりも有効に働く場面が多かったです。特に、サポートの役割を担う一般枠を集中攻撃で出落ちさせることで相手のプランを大きく崩すことができるので、そのまま有利展開を維持しやすかったです。また、キュレムが気兼ねなくダイアイスを打てるように防塵ゴーグルを持たせていますが、猫騙しとこの指止まれと気合の襷に依存しない耐久を全て兼ね備えているポケモンはイエッサンしか存在しないこともあって、上手く活用できたと思います。
課題はやはりWキュレム展開をしづらい場合で、悪巧みロトムを中心に戦うものの、こちらも展開に一手必要になってしまうので後手になりがちです。また、ダイマックスするポケモンが特殊に偏る以上素早さの高いバークアウト持ちもきつく、ピンポイントながらエンテイライコウ猫騙しでの足止めもできないため戦いづらいと感じました。