初手で相手に威張る選択

ダブル・トリプルで初手で威張るを使う選択肢について。
因みに、威張るを相手に打つものとして考えています。


まず、整理しておきます。
対象の攻撃を2段階上げて混乱状態にする命中90の技。混乱は2〜4ターンの間、相手は50%の確率でしか行動ができなくなる。
同じく行動不能にする状態異常の眠りと比較すると、運次第では一度も相手の行動を抑止することができなかったり交代をすることで混乱が解けるというデメリットがありますが、混乱で行動できない際にダメージが入ることと他の状態異常と重複できる点が主なメリットになります。また、使われた側からすれば眠りと違って動ける可能性が残っているものの、動けるかどうかが不確定なのでミスを誘える可能性もあります。

ラムの実やキーの実と組み合わて味方に使うことで味方のサポートをする使い方が主流ですが、相手にとって脅威になりにくいポケモンに持たせておくことで相手を妨害して放置されるのを防ぐ使い方もあります。特性の悪戯心は先制技の速さで威張るを使えるので、2010年の公式大会ルールのイッシュダブルでも威張るを使うポケモンが多かったような気がします。

余談です。イッシュダブルは相手が威張るを乱発してくる可能性は高かったですが、ボルトロストルネロスに関しては打点を持っているポケモンなので味方を強化する目的があって搭載するもので、放置されるのを防ぐ目的で威張るを採用するのはエルフーンだけだと思っています。まあ、ボルトロスしかり味方を強化する威張る+神秘ムシャーナとかも相手を妨害するために使った方がいいこともありますが。


それで、初手で威張るを使う選択肢について。
私は選択肢としてないということはないと思います。

ポケモンは基本的に運が多くの局面で絡みがちですが、勝率を上げるためには運だけに頼るわけにはいかないので構築や立ち回りをしっかりと確立することが重要だと考えられています。運に頼らなきゃいけないのは試合終盤などで立ち回りでは打開できない状況を迎えたときというような考えはあると思います。

上のような考えがあると、初手で威張るをぶつけるというのは選出の段階で圧倒的に相性が悪かった場合(初手から運に頼らないと打開できない状況)以外では使うものではないと思われます。初手から運に頼らないといけない状況を作った問題は構築にあるため、構築を見直すべきではあるのですが。初手威張るが良く思われないのは命中まで含めると相手が行動できない確率は45%しかないのに、戦況が動く前から運に頼っているところ。クレセリアのように初手の威張るで妨害を狙えなくても高い耐久で役割をこなせるポケモンが使うのならリスクとリターンがある程度見合うものの、エルフーンのようにすぐに場からいなくなってしまうようなポケモンが使うから批判(?)があるのでしょう。


確率が低いことが問題であるのなら、不確定要素を加算するという選択肢はあります。ラティオスvsガブリアスという構図でラティオスが流星群をはずすとガブリアスに倒されます。これは流星群をはずす10%の確率の出来事ですが、拘りスカーフや気合の襷をガブリアスが持っていることを考慮しないと流星群をはずしたから運が悪かったというように言われます。それなら、威張るの45%に色々と不確定要素を重ねて高確率(人によってどこからが高確率かは変わりますが)でアドバンテージがとれるものになれば問題はなくなりそうです。まあ、実際は威張る+岩雪崩の怯みで動けない60%の確率を引いても運が悪いっていうように言われてそうですが。

因みに、私はエルフーンテラキオンドーブルトゲキッスなどを入れたトリプルバトルで初手威張るを使うことがあります。これはトリックルームの発動を防ぐためにテラキオントゲキッスは怯み狙い、ドーブルダークホールで相手を止めてエルフーンは挑発でラム持ちなら挑発が決まりメンタルハーブならダークホールを防げないというものですが、場合によっては威張るでラムの実を消費させてからダークホールを決めることもあります。トリックルーム発動となると、相手も必死に妨害してくるのでそううまくいくこともないですが、不確定要素を積み重ねれば、運gの一言で片付けることはできないでしょう。


自分から分の悪い勝負を仕掛けているので状況が悪くない限りあまり積極的に使いたくはありませんが、他の行動よりも最適だと思うのなら躊躇することなく使うべきだと思います。
何より、全てのトレーナーには構築や技の選択などが自由に与えられていて全員が勝率の高いパーティを作っているとも限らないので選択肢としてないことはないでしょう。相手に使われて勝てたときには「運に頼った構築だから当然」と言うのに、負けたときには「運が悪いから負けた」と言うのも違和感ありますし。