2013 夏ドラマ 感想

2013年夏ドラマの感想です。


世間的には「半沢直樹」が大ヒットしていたみたいですが、今期観ていた作品は積極的に消化を進めたいと思えるものが非常に多く私は楽しめていたので全く興味を示せませんでした((


観ていた作品はこちらの3つです。

「斉藤さん2」
ぴんとこな
「山田君と7人の魔女」



>「斉藤さん2」
周りの意見に流されることなく正しいと思ったことを実行する斎藤さん。引っ越してきた新しい街でも周囲の空気を読んで流されている母親グループと相容れないものの、間違ったことをしていると斉藤さんに叱られた人々が物事の本質に気付いたりしながら少しずつ成長をしていく物語。シリーズの続編ではありますが、私は前作を見たことがなく桐谷美玲がいいポジション出ているから1話くらい観てみようと思っていたところ彼女の演じる役柄が面白かったためそのまま継続して視聴することに。
とりあえず、私の感想としては桐谷美玲を眺めているだけである程度満足でしたというものです。喜怒哀楽と表情に富んだキャラクターだったため一つひとつがややオーバーなリアクションになることも多いですが、斉藤さんに褒められて喜び、息子が自分の思う通りには動いてくれなくて少し怒ったり、斉藤さんと話が合わなくて少し哀しかったり、友達として斉藤さんたちと接して日常を楽しんでいたり、そういう色々な要素が詰まった桐谷美玲を見ているのが楽しかったです。最初のうちの「私はまだ若いんだからみんなに認めてもらえるように精一杯がんばらなくちゃ…!」みたいなところやそれで強がっているところも良かったです。
本編の感想としては、斉藤さんのような周りに流されたりせずに正しいと思ったことを正しいと主張して実行できる生き方を現実社会に示すところが作品の根底にあるように思うのですが、それにしては斉藤さんの周りのキャラクターがややチープなように思えました。斉藤さんのような人物は実際にはなかなかいませんが、その周りにいるような人物は特徴的な部分を抜き出しただけでフィクションのようなキャラクター設定だったように思えます。とは言っても、現実的な物語を作れるようなら現実にも斉藤さんのような人物がもっといてもおかしくありませんし、現実には持ち込めないことが多いのだからせめてフィクションを観ている間は理想を見させてほしいはずなので仕方はありませんね。「正しいと思ったことを正しいと主張して実行できる生き方を示す」ところにコンセプトがあるのであれば、そのような生き方をしようとしているけれど自分が正しいと思ったことを周りは正しいと思ってくれないときのようなストーリーがあると面白いような気がしました・・・と最終回1話前に感想を書いていたのですが、なんと最終回で事情も知らずに頭ごなしに間違っていそうなことをやめさせようとした斉藤さんを叱る山内さんがいて、彼女の成長まで最後に示すことができていて良かったと思います。
ここまで悪いように表現をしていますが、逆の言い方をすればキャラクターもストーリーもシンプルで分かりやすかったということです。私は最初から桐谷美玲目当てだったので物語を複雑に考えることなく様々なリアクションをする桐谷美玲を見れてよかったです。「ひょい語」にも対応できる思考になりたいですね((


>「ぴんとこな
歌舞伎界の御曹司である主人公、優等生でありながら貧乏な暮らしを続ける歌舞伎が大好きな同級生のヒロイン、そのヒロインと幼馴染で10年前に交わした約束を果たすべく地道な努力で一から歌舞伎の道を進む恋のライバル、この3人の三角関係を中心に描いた恋愛ストーリー。他の2作品を視聴することは既に決めていたのですが、せっかく夏なのだから恋物語が一つくらい欲しいと思い、個人的に設定がパッとこなかった「SUMMER NUDE」ではなくこちらを選んだ形。玉森が結構好きというのは前々からも言っていますが、彼が主演を務めていることも要因としては大きかったです。
花より男子」と似ているという話を聞きましたが私は観たことがないので分からず、どちらかというと雰囲気は「美男ですね」に似ていると感じました。「美男ですね」は最後まで観ていなかったので曖昧なところもありますがヒロインが割と早い段階で主人公のことを意識し始めましたが、この作品は告白されるまで自分自身で自分の感情に気付いていないというものでした。恋愛をメインテーマに置いているドラマは触れ合う過程の段階で多かれ少なかれ意識をし始めるものが多いような気がするのでちょっと珍しいように思いました。
最後は「まだ『好き』ってはっきり言われたことないんだよな・・・」というようなセリフがあったようにヒロインは自分の気持ちをはっきりと示すこともなくお互いを想い合ってすれ違っていく展開だったので、二人がヨリを戻すエンドになると思いましたがちゃんとそのようになったので意外性はなくてもそれでよかったと思います。ラストの抱き合うシーンもヒロインから駆け出していったところがこれまではっきりしなかった気持ちが明らかになったようで良かったです。ただ、キスシーンが個人的にはあまり気に入っていなくて、時が止まったかのように二人を1周するような演出がされていましたが時が止まったような感覚は必要なくて、もしそうでないならやや堅いように見えました。また、キスシーンの途中で提供クレジットが入ってきたのが一番よろしくなかったと思います。
歌舞伎が題材として取り扱われていましたが、私は歌舞伎に関しては全く分かりませんし作品のメインテーマは恋愛なので歌舞伎はおまけ程度でしかありません。こういうドラマはきっと本格的に興味のある方面からすれば批判をされることが多いのでしょうが、知らない分野に興味を持つ一つのきっかけになることもあるので頑張って肯定的に捉えていきたいですね。自分が知っている分野と知らない分野では知らない分野の量の方が多い人がほとんどだと思うので、自分が普段眺めているあまり詳しくない分野に関してもその分野に精通している人としては批判的に思えるようなことはよくありそうなことですものね。
玉森裕太の「かっこよくないけどかっこいい感じ」が好きだと以前から書いているのですが、どうしてそのように感じるのかは考察が進んでいないので今後進めていきたいですね。劇中でも生まれ持った才能で歌舞伎を演じる華があると言われていましたが、そんなものを感じてしまうかのように主人公のセリフがかっこよく感じることが多かったです。ヒロインの川島海荷に関してはいつの間にか外見がかなり変わった気がして整形どうこう言われてるのも聞きましたが、年齢的には顔が変わることも普通にありえそうな年齢なので全くそんなことはないように思えます。以前よりもかわいらしくなったというのが私が好印象を持ちやすい点の一つだったかもしれません。
こんな風に普段はストーリーを遠目から俯瞰するような見方をしていることが多いのですが、この作品を観ている間は主人公の恋が実らないかなとちょっと感情移入してしまった気がします。イマイチ理由は分かっていないのですが、それは先述しているように主人公を演じる玉森裕太の魅力なのかもしれません。あとはもしかしたらロケ地として使われていた場所が個人的に知っている場所なことが多かったのでなんとなく親近感を抱きやすかったのも要因だったのかもしれませんね。



>「山田君と7人の魔女」
ヤンキーの主人公と優等生のヒロインがある日階段から一緒に転落した際にとっさに唇と唇が触れてしまい身体が入れ替わる。その後、その高校には魔女伝説なるものが存在して、入れ替わったのは7人いる魔女の能力の一つでヒロインがその魔女の一人だということが分かる。その魔女伝説を探るべく主人公たちは活動を始めて様々な魔女と会っていく物語。因みに、読み方は「ななにん」で「しちにん」ではないようです。キスで特殊能力を発動できる魔女という設定が面白そうなこととヒロインの西内まりやが気にかかっていて「スイッチガール」は観れなかったことから観てみたいと思ったのが視聴したきっかけです。また、Seventeenモデルですね((
学園物語で男女の人格が入れ替わるというとだいたいが女の子の側が入れ替わりたくもないし早く戻りたいと思うものが多いですが、キス一つですぐに入れ替わることができてヒロインも入れ替わることを嫌がっていないというのが珍しく思いました。
ここから残り6人の魔女が一人つず出てくるわけですが、高校生役ということもあって若いキャストが多く大野いと小林涼子美山加恋など今後注目されるような女優が毎回のゲストとして登場していました。魔女の能力はキスをすることで発動するため、毎回キスシーンが何度も登場するためキスシーンの安売りというような感じでキスシーンという表現の価値は薄れていたように思うかもしれませんが、個人的にはそういう風には感じませんでした。物語は主人公とヒロインで始まってきっと終わりもその2人の関係で終わるだろうと思っていたからでしょうか。ちょっと記憶が定かではないのですが、(そもそも途中から入れ替わることも少なりましたが)終盤に向けて主人公とヒロインのキスシーンはなかったように思います。
ちょっと残念だったかなと思うのは最終回の話です。「7人の魔女を集めると何でも願いが叶う」というから生徒会長も超常現象部も魔女探しを続けていたのに、主人公と同じく特殊な力を持っていた生徒会長はその力を使い魔女を集めてどんな野望を叶えるのかはっきり語らないままあっさり脱落してしまい、願いを叶えるシーンはコメディのオチとして使われてしまい・・・最後は魔女に関する記憶を失った主人公がなんとか自力で記憶を取り戻すというエンディングでしたが、そんな簡単に記憶を取り戻せるとなると魔女の能力が疑われてしまいますし、最初からそういうエンドを考えていたのであれば魔女は非日常を与えるきっかけにはなったものの別に魔女である必要はなく設定を活かしきれていないのかなと思いました。しかも、封印したつもりになっている魔女伝説がまだ生きているという不思議な終わり方をしたのもちょっと気になりますね。
ここまでずっと「主人公とヒロイン」と書きましたが、EDのロールでは西内まりやが先に出てくるんですよね。順番的に名前が一番に出てくるのが一応形式上でも主演になると思いますが、公式サイトを見ても先に写真が出てくるのは西内まりやの方です。魔女かどうかを判別する能力を持つ山田君が毎回なにかしらのきっかけでキスをして魔女を見つけて、その女の子の能力との向き合い方などを描いていく物語と考えれば主人公は山田君で間違いないのでしょうが、一番上に西内まりやを持ってくるということはこの物語は最初から山田君と出会ったことで変化していくヒロインを軸に描きたかったのかなと感じました。
物語のエンディングとしては少し残念と言いましたが、最終回で行動的になったヒロインを見ているのが少し楽しく思ったのでヒロインの成長を描くという製作側の策略には見事にハマっていたのかもしれません。特に、再び階段から落ちた後の西内まりやの表情がそれまでの物語では一度も出さなかったような表情でものすごく印象的でした。