「海賊戦隊 ゴーカイジャー」の感想

「海賊戦隊 ゴーカイジャー」を視聴したので感想を。


2011年放映のスーパー戦隊シリーズ35作品目ということですが、私がちゃんと視聴するのはデカレンジャーシンケンジャー・トッキュウジャーに続いて4作品目になります。
視聴する前から知っていたのは過去34戦隊に変身できるということです。仮面ライダーで言えばディケイドにあたるような作品で、ディケイドでは過去ライダーの踏襲されたような世界に飛んで重要な設定のネタバレがされることもあります。それなのに過去戦隊を全然知らないまま観ても面白くないのではと思うかもしれませんが、私がディケイドを観たのもライダーシリーズでは3番目だったこともあり、どちらかというとディケイドを観たことが過去の平成ライダー作品をちゃんと観てみたいと思うきっかけとなったことから、今回も悪い方向には働かないだろうと思いました。


【あらすじ】
地球を侵略しようとする宇宙抵抗ザンギャック、立ち向かうのは数々の悪から地球を守り続けた34のスーパー戦隊たち。ザンギャックの侵攻を退けることに成功したスーパー戦隊だったが彼らは変身する力を失い、その力はレンジャーキーとして宇宙に散り散りになってしまった。
そして、その数年後。海賊戦隊ゴーカイジャーを名乗る宇宙海賊が宇宙最大のお宝を求めて地球に降り立ち、それと同時にザンギャックの地球侵略も再開するところから物語は始まる。
降り立った地球で、かつてマジレンジャーだった男から「宇宙最大のお宝を手に入れるためには34のスーパー戦隊の大いなる力を手に入れる必要がある」と聞き、ゴーカイジャーはそれを求めてかつてのスーパー戦隊たちと出会っていくことになる。


【感想まとめ】

  • キャストの容姿レベルが高く、やりたいことを自由にやるスタイルがかっこいい
  • 過去のスーパー戦隊が登場する回は当時のキャストが出てくるので盛り上がる
  • EDはスーパー戦隊全部言えるかな?、的な内容なので「うたいたい ぜったい おぼえてみたい♪」の感覚分かります((
  • ゴセイジャーとの共演映画は一応本編の一部になっている
  • ゴーカイジャーには特に強化フォームもなく「宇宙最大のお宝のためにすべてのスーパー戦隊と出会う」という目的もはっきりしていたため、同じような展開が続いて物語中盤にマンネリ感を味わうところは他の戦隊以上に避けられないかもしれない


冗長になる部分は続きから。



まず、あらすじを見て「お宝を求めて地球に降り立ったわけだからザンギャックと戦う義理は特にないのでは」と思いましたが、1話目からいきなりそれはテーマになっていました。彼らは自由奔放で単に気に入らないからという理由でザンギャックと戦います。
3話目くらいで「宇宙最大のお宝を手に入れるためには34のスーパー戦隊の大いなる力が必要だ」と知り、そのためにかつてスーパー戦隊だった人を探して、色々な人に出会っていくうちに地球という惑星やそこに住む人間の魅力に気付くエンディングではないかと予想ができました。


そういうわけで、昔のスーパー戦隊が登場するわけですが、なんと本物の役者が出てきます。そうとは考えていなかったので、最初にマジレンジャーのレッドだった方(役者の名前が出てこない・・・)が登場したときは結構驚きました。
似たコンセプトであった仮面ライダーディケイドは2話で9つの世界を回る設定でしたが、34戦隊を回るので1戦隊1話が基本になっています。1話構成だけに物語を深くすることはできませんが、各回でフィーチャーされた戦隊にゴーカイジャーが変身するときにその戦隊のOPイントロが流れる展開は熱かったです。


ゴーカイジャーの基本装備が刀と銃だけだったり名乗りの口上がシンプルなものになっているのは、他戦隊に変身できるから固有に特徴のあるものを持たなくて良いからだと思いますが、ザンギャックを倒すときは必ずゴーカイジャーの姿に戻ってゴーカイジャーの必殺技を使う設定であり、そのまま他戦隊の武器で倒してしまってはいけないのかと結構考えていました。見え方的には過去のスーパー戦隊の必殺技では相手にトドメを刺す力はなく、結局ゴーカイジャーが一番強いという風になるのではないかと思ってしまいましたが、子供視点で見るとゴーカイジャーがトドメを刺さないと、「そもそものゴーカイジャーが強い」のではなく「34戦隊になりきれるゴーカイジャーが強い」というイメージを与えてしまうからなのでしょうか。あとは商業戦略・・・?(


キャストは歴代戦隊の中で最も容姿レベルが高いのではないかと個人的には思っています。
レッドのキャプテン・マーベラスは仲間と対等な関係にありながら船長として一目置かれている絶妙な立ち位置でなのと落ち着きがありながらも熱い気持ちを持っているキャラクターが良いです。
ブルーのジョー・ギプケンを演じる山田裕貴は直前に観ていたドラマで認知した人だったのでゴーカイジャー出身だったのかとびっくり。ストイックなキャラクターでしたが、もう少しふざけてみても良かった気がします。
イエローのルカ・ミルフィ。これを演じる市道真央の容姿とキャラの性格の組み合わせが個人的にとても好みで、5人が並んで画はほとんどが左側にカメラがありルカが一番手前にいるので結構目が行きがちでした。
グリーンのドン・ドッゴイヤー。ハカセという愛称で船のメンテや料理を担当するインテリ系(?)のキャラクターなのかと思いきや、戦い方はコミカル。考えずに豪快に行動するレッドと違って考えて悩み勝ちな割にはOPで「海賊戦隊!ゴーカイジャー!」というフレーズの前から唯一うずうずと動いているなどちぐはぐな部分が見受けられてキャラクターをなかなか掴めませんでした。
ピンクのアイム・ド・ファミーユ。惑星の元お姫様という設定でしたが、本物のお嬢様感が出ていたと思います。
シルバーの伊狩鎧。この中で唯一の地球人ということでしたが、海賊見習いとして仲間入りという設定がなければなかなか腑に落ちなかったかもしれません。コメディ展開を考えると必要な存在ではありましたが、変身できるようになったきっかけもよく分からず(・・・と思ったけれどウルトラマンも同じような経緯で変身能力手に入れたなぁと)。見習いだけ強化フォームがあって、仮面ライダーディケイドを彷彿とさせるてんこもりフォームなわけですが、これを手に入れるまでも早すぎたような気がします。
マーベラスを裏切ったかつての仲間であるバスコが初登場したときに「これが6人目か!」と実は期待していたのですが、全然違いましたね。最初の5人のバランスが好きだったので、そこに6人目を加えるよりも敵対する役として置いた方がゴーカイジャーとは対照的な海賊を描けると思ったので…(実際には対照的な海賊でしたが)。


先述しているようにシンプルなゴーカイジャーには強化フォームもないので、どうしても物語の中盤は同じような展開が続いてしまいます。物語の終盤にはこれまでの振り返り回を設けてバスコとの決戦・お宝との邂逅・・・という形でエンディングへの航路を作り、最終的には35番目のスーパー戦隊であることを素直に名乗ることになります。そういうわけで、エンディングも期待させてくれる感じがなかったのがちょっと物足りなかったですかね。
エンディングへ向かう展開の仕方はともかく個々の演出は好きな部分がいくつかありました。具体的に挙げると「バスコがサリーに持たせたお守りをマーベラスが持っていたことが2人の決闘の勝敗を分けた、とちゃんと伏線を回収したこと」「海賊旗を持っての登場から素面での名乗り」「ラスボスが巨大化しなかったので冗長にならなかったこと」辺りです。


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冒頭にまとめた感想を書きましたが、なんだかんだ言ってもキャストとその振る舞いがかっこいいので最後まで退屈せずに済みました。
全戦隊が本物のキャストで登場するということもあり、いくつか戦隊には興味を持ちましたが、各シリーズ50話程度で基本的にパターンの決まった展開であることを考えると、なかなか着手はできなさそうですね。。。