見せ合いあり63構築〜バトンメガバシャーモ軸スタン〜

ボーマンダ ようき いかく
189-156-101-×-113-167 H.148 A.4 B.4 D.100 S.252
(189-166-151-×-123-189)
すてみタックル、どくどく、みがわり、はねやすめ@ボーマンダナイト


バシャーモ わんぱく もうか
181-140-133-×-90-108 H.204 B.244 S.60
(181-180-144-×-100-128)
とびひざげり、おにび、まもる、バトンタッチ@バシャーモナイト


○FCボルトロス ひかえめ ちくでん
161-×-102-212-101-135 H.64 B.112 C.220 D.4 S.108
10まんボルト、めざめるパワー(氷)、きあいだま、わるだくみ@オボンのみ


マンムー いじっぱり あついしぼう
185-183-100-×-112-116 A.132 D.252 S.124
つららばりこおりのつぶて、じしん、はたきおとす@とつげきチョッキ


ギルガルド おくびょう バトルスイッチ
163-×-172-71-173-123 H.220 B.12 C.4 D.20 S.252
(163-×-72-171-73-123)
シャドーボール、どくどく、みがわり、キングシールド@たべのこし


スイクン ずぶとい プレッシャー
205-×-165-120-136-114 H.236 B.124 C.76 D.4 S.68
ねっとう、れいとうビーム、めいそう、ねむる@カゴのみ


ボルトロススイクンは非理想個体


7/24に開催された第8回ぽちゃオフシングル部門で予選4-3で予選落ち(サブイベントでは3-0)。
シーズン17シングルレートで勝率66%程度でレート1900越え(暫定20位程度)。


【構築概要】
バトンタッチを搭載したメガバシャーモを軸にしたパーティ。
メガバシャーモの加速で上がった素早さをバトンタッチで引き継ぎ、後続のポケモンで相手を上から叩いていくことを狙います。メガバシャーモが温存できていれば、最後に締めるポケモンとして扱うこともできます。
バトンタッチを引き継ぐポケモンとして霊獣ボルトロススイクンギルガルドを用意。これらのポケモンはバトンタッチがなくても戦える単体性能を持ちつつ、メガバシャーモで戦いづらい相手に選出するメガボーマンダとの相性も悪くなく戦うことができます。


【構築経緯】
メガガルーラに強めのメガシンカであるメガバシャーモをXYから好んで使っていましたが、それまでと同様にメガバシャーモを攻撃の軸として扱うのが難しく感じました。そこで、メガバシャーモを使いつつ取り巻きを攻撃の軸にできるバトンタッチに着目するところから構築はスタートしました。
メガバシャーモのバトンタッチを受けるポケモンとして、2匹目には霊獣ボルトロスを採用。メガバシャーモに有効な地面技を無効化にできる点と加速の弱点である麻痺状態にならない点でバトン先として相性が良く、悪巧みを使うことで制圧能力を一気に高めることができます。
3匹目にはバシャーモが苦手でボルトロスからの打点も通りづらい地面タイプに強いポケモンとしてスイクンを採用。耐久が高いことから交代で繰り出しやすいポケモンですが、スイクンも瞑想を使うことができるのでバトンタッチを繋ぐ候補として十分に機能します。
4匹目にはギルガルドを採用。ここまでの3匹が打ち合いで負けやすいフェアリー・ドラゴンタイプの一貫を切るために交代で繰り出せる鋼タイプのポケモンは採用しておきたいことが理由で、バシャーモの対策として選出されやすいクレセリアを起点にできることが大きいです。


ここまでの4匹をベースに構築を考えていましたが、バトンタッチ一辺倒の戦い方では勝つのが難しい相手が存在するため、別の戦い方ができる2匹目のメガシンカとしてボーマンダを選択しました。メガボーマンダボルトロスギルガルドスイクンとの相性も悪くなく、メガバシャーモが苦手なマリルリファイアローや全体的に突破しづらいメガフシギバナに強い点が評価できます。メガシンカ2匹の形になったことで見せ合いの段階で相手の選出をバシャーモ対策に集中させないという副次的な効果も多少は期待できます。
最後の1匹にはマンムーを採用。メガボーマンダを選出する際に対策として選出されやすいボルトロスからの交代先を用意しておきたくて、氷技が抜群にならない電気無効のポケモンとしてマンムーに白羽の矢が立ちました。


【個別解説】

ボーマンダ
<持ち物:ボーマンダナイト>
メガシンカのため必須。メガバシャーモ軸で相手にしづらいマリルリファイアロー・メガフシギバナなどに強く出るためにメガシンカする必要があります。
<技構成:捨て身タックル、毒々、身代わり、羽休め>
ニンフィアマリルリを強襲したいのでメインウエポンはスカイスキンが適用される物理ノーマル技。取り巻きのポケモンとの相性を考えたときに機能する型は毒を撒いて戦うことだと思ったので、毒々を採用。残り2つは毒々と相性の良い身代わり・羽休めとしました。
身代わり・羽休めなどで戦うため耐久を重視した配分にしたことで、マリルリを7割以上削るために攻撃技は捨て身タックルを選択しました。
<実数値:189-166-151-×-123-189 H.148 A.4 B.4 D.100 S.252>
素早さ最速、A182ガブリアスの逆鱗を上2つの乱数以外耐え、A197ランドロスの-1岩石封じを身代わりが最高乱数以外耐え、C126ロトムボルトチェンジを身代わりが上4つの乱数以外耐え、C142スイクンの冷凍ビーム耐え。
リザードンを意識して素早さは最速にしました。特殊耐久はメガボーマンダをn発で倒す攻撃をn回耐えるような数値になっています。


バシャーモ
<持ち物:バシャーモナイト>
メガシンカのため必須。初手に繰り出されることも多いメガガルーラガブリアスと対面したときにバシャーモでは攻撃を耐えることができないためメガシンカする必要があります。
<技構成:飛び膝蹴り、鬼火、守る、バトンタッチ>
コンセプトであるバトンタッチ、様子見をしつつ素早さを上げられる守る、は必須。残る2つですが、初手でメガガルーラと対面したときに選べる技として格闘技が欲しかったので飛び膝蹴りを採用。
最後の1枠はバトンを繋ぐ際に後続のポケモンに入るダメージを抑える技を採用することにします。ぽちゃオフではビルドアップを採用していましたが、マリルリの起点になりやすいことから選出ができない試合があったので、それを避けるために鬼火を採用しました。ビルドアップで防御を1.5倍上昇させるよりも鬼火で相手の攻撃を1/2にする方が後ろへの負担も少なく済みます。
<実数値:181-180-144-×-100-128 H.204 B.244 S.60>
A194メガガルーラ地震をほぼ耐え、A200ガブリアス地震を上4つの乱数以外耐え、加速1回で最速ゲッコウガ抜き。
メガガルーラの前で守るを使わず飛び膝蹴りを選ぶことができたり、スカーフガブリアス地震を耐えて加速することでバトンタッチを繋げます。


★FCボルトロス
<持ち物:オボンの実>
悪巧みを1回使えば十分な火力を出せるので、悪巧みを選べる場面を多くするために耐久を底上げするオボンの実。
<技構成:10万ボルト、めざめるパワー氷、気合い玉、悪巧み>
メインウエポンの10万ボルト、制圧能力を高めるための悪巧み、が必須。残りは攻撃範囲を広めるためにめざめるパワー氷と気合い玉を選択。
メガバシャーモで相手にするのが難しいガブリアスを素早く処理できるめざめるパワーははずせません。気合い玉は命中こそ不安定ですが、電気・氷では手が出づらいナットレイマンムードリュウズを倒せるなど攻撃範囲は優秀であるため、ボルトロスを躊躇わずに選出できるようにするために採用しました。
<実数値:161-×-102-212-101-135 H.64 B.112 C.220 D.4 S.108>
悪巧み1回10万ボルトでH181D120メガガルーラを最低乱数以外1発、めざめるパワーでH183D106ガブリアスを最低乱数以外1発、A216メガボーマンダの+1捨て身タックルを上3つの乱数以外耐え、ラッキーの地球投げをオボン込み4発耐え、最速キノガッサ抜き。
乱数がかなりあやしいことになっていますが、理想個体なら「163-×-102-214-100-135 H.68 B.96 C.236 S.108」なら攻撃面を確定にしつつ防御面も最高乱数切りで収まります。


マンムー
<持ち物:突撃チョッキ>
ボーマンダに繰り出される電気タイプからの交代先として機能してほしいので特殊耐久を底上げする突撃チョッキ。
<技構成:氷柱針、氷の礫、地震、叩き落とす>
突撃チョッキなので攻撃技4つの構成です。メインウエポンの地震、対ドラゴンなどで便利な先制技の氷の礫、ボルトロスにダメージを与える氷技は身代わり対策にも有効な氷柱針、最後は有利な対面から交代先の相手にも打ちやすい叩き落とす。
叩き落とすの枠はガルーラナットレイにダメージを見込める馬鹿力も候補でしたが、ボルトロスとの対面は叩き落とすでオボンを落としてから氷柱針を打つ方が良く、交代先への汎用性も高かったのでこちらを選択。
<実数値:185-183-100-×-112-116 A.132 D.252 S.124>
C197ボルトロスの拘り眼鏡気合い玉を上2つの乱数以外耐え、C177ボルトロスの命の珠めざめるパワー氷+気合い玉耐え、性格補正のないバンギラス抜きの素早さを確保した上でB134ボルトロスへの氷柱針のダメージが変わらないところまで攻撃に配分しました。
バトンタッチを意識すると攻撃も素早さももっと欲しいですが、ボーマンダとの組み合わせを意識すると特殊耐久は譲れません。


ギルガルド
<持ち物:食べ残し>
毒々を撒いて身代わりとキングシールドでやり過ごす型に決めたので、それと相性の良い食べ残し。
<技構成:シャドーボール、毒々、身代わり、キングシールド>
いわゆる「毒みがまも」の鉄板構成で、攻撃技は通りが良いシャドーボールを選択。
マリルリを誤魔化すためにキングシールドを自然と採用できる型を採用したくて、バトンタッチからの展開やボーマンダの交代先として考えた結果、この型が最も良さそうだと思いました。
<実数値:163-×-172-71-173-123 H.220 B.12 C.4 D.20 S.252>
実数値はシールドフォルム時。素早さ最速、タイプ一致イカサマを身代わり耐え、A133ファイアローの命の珠フレアドライブ耐え、C192メガルカリオの悪の波動耐え。身代わりと食べ残しの効率を考えてHPは16+1〜3の範囲で、ダウンロードで相手の攻撃が上がるように設定。
「163-×-172-88-173-103 H.220 B.12 C.76 D.20 S.180」のようにメガクチートを2発で倒せる配分も考えましたが、素早さが高くないロトムに先制して身代わりを残す立ち回りをするため最速にしました。


スイクン
<持ち物:カゴの実>
眠るとのシナジーを考えて採用。欠伸カバルドンに強く催眠術ゲンガーの誤魔化しにも使えます。
<技構成:熱湯、冷凍ビーム、瞑想、眠る>
メインウエポンの熱湯、初手カバルドンに対して強く出るための瞑想、は必須。クレセリアヒードランを1匹で見れるように回復技の眠るを持たせて、最後の技は攻撃範囲を考えて無難に冷凍ビームを採用しました。
加速+吠えるで相手スイクンの吠えるにも負けずに瞑想の積み合いを制することができますが、熱湯一本ではボーマンダなどに隙を見せてしまうので氷技の方が優先度が高いです。
<実数値:205-×-165-120-136-114 H.236 B.124 C.76 D.4 S.68>
A216メガボーマンダの+1捨て身タックル耐え、+1熱湯でH215D124カバルドンをオボン込みで確定2発、加速1回で最速ガブリアス抜き。
瞑想スイクンは低火力を起点にしつつ瞑想を積まなくともなるべく後続に負担を掛けるために特攻に配分する方が強いと考えていますが、低火力の相手だけでなくバトンタッチからの制圧を考えると物理耐久を上げて倒されにくくすることが重要だと思い、このような配分になりました。


【総評】
当初予定していたメガバシャーモからボルトロスに加速をバトンタッチして悪巧みから制圧するプランが成功する試合はあまりありませんでした。
その理由としては、バトンタッチを受けて悪巧みを積むまでに相手に2ターンの行動猶予を与えていることからボルトロスが万全な状態で保てることは多くないことです。地震や電磁波でバシャーモの対処を目論む相手には刺さりますが、実際にはHPを残したポケモンで打ち合って対処しようと考えている相手が多く、その場合はバトンタッチの交代際にボルトロスがダメージを負ってしまうので悪巧みを使えるほど余裕はありません。以前、シングルでメガバシャーモを使用していたときは相手を削った状態で後発から繰り出すことが多く、交代からバシャーモを対策できるポケモンのことばかり考えていたので、バシャーモの対策を打ち合いでの対処で狙う人が多いことに気付けていませんでした。
しかし、加速バトンタッチ自体は強力で、打ち合いでバシャーモ対策を考える相手に対しては瞑想スイクンや毒々ギルガルドといった単体性能の高い加速ポケモンを誕生させることで有利に戦える試合も多かったです。


構築として大きく気になる点としては「全体的に水タイプが重い」「バシャーモが無抵抗なゲンガーに弱い」の2点でしょうか。構築全体のタイプバランスだけ見るとギルガルドではなくナットレイを採用する方が綺麗なのかもしれませんが、個人的にナットレイが扱えないのでギルガルドでパーティパワーを高めるほうが良いと判断しました。ゲンガーに対してはマンムースイクンで誤魔化していく形になりますが、ゲンガーの型が豊富であるため安定はしませんでした。
また、オフでの負け試合は「マリルリに怯えてバシャーモを選出しなかった」「ボルトロスに強気に動かれ続けた」「ギルガルドが10万ボルトで麻痺急所」の3つで、最後の試合に勝てていれば1位の三つ巴に並べていました。後ろ2つの負けはまだしょうがないものとして最初の負けは構築の問題であり、これはバシャーモの技を変更することで改善できたので良かったです。


ORASのシングルバトルは発売直後にオフに参加して以来、寄せ集め形式でしか対戦できなかったことから、「対戦できるシングルの構築を1つ作る」ことが目標だったので、無事に目標は達成できました。
また、いわゆる交代読み行動が蔓延していることが対戦していてよく分かる環境の中で、リスクの高い交代読みをそこまでせずに戦える形になった点では納得できました。